アウディA4 40TDIの試乗記でわかること

「アウディA4 40TDIって本当にディーゼルなのに静か?」という疑問を抱いたことはありませんか?この試乗記では、その疑問に実際の走行体験に基づいてお答えします。

まず結論から言えば、40TDIは単なる「燃費の良いディーゼル車」ではありません。静粛性・トルク・加速性のバランスが取れた一台であり、ガソリンモデルとは異なる魅力があります。

筆者自身、これまで複数のガソリン車・ディーゼル車を乗り継いできましたが、「ディーゼル=うるさい・重い」という先入観は40TDIに試乗して完全に覆されました

これからアウディA4の購入を検討している方にとって、本記事は試乗前に知っておくべきリアルな情報源となります。

この記事で分かること

  • アウディA4 40TDIの基本スペックと特徴
  • 実際の試乗で感じた走行性能の魅力
  • ガソリンモデルとの具体的な違い
  • 用途別のおすすめポイントや注意点
  • よくある質問への明確な答え

アウディA4 40TDIとは?基本スペックと特徴を解説

アウディA4 40TDIの基本スペック一覧

アウディA4 40TDIは、2.0L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最高出力204PS・最大トルク400Nmを発揮します。0-100km/h加速は7.1秒と、セダンとしては俊敏な部類に入ります。

項目 数値
エンジン 2.0L TDI(ディーゼルターボ)
最高出力 204PS
最大トルク 400Nm
駆動方式 FF(前輪駆動)
トランスミッション 7速Sトロニック

TDI(ディーゼル)の特徴とは?

アウディのTDIエンジンは、燃料として軽油を使用しつつ、静粛性と燃費性能を両立しています。街乗りでの平均燃費は約15〜18km/L、高速走行では20km/Lを超える例もあります。

  • 燃費が良く、給油回数が少ない
  • ディーゼル特有のトルクで加速がスムーズ
  • 現行モデルはディーゼル特有の騒音が大幅に低減

40TDIと他グレードとの違い

アウディA4には他にも35TDI、45TFSIなどのグレードがありますが、40TDIは「バランス型」のポジションとして評価されています。燃費・パワー・快適性のバランスに優れており、最も売れ筋の構成です。

グレード 特徴
35TDI 低価格・燃費重視だが加速力は控えめ
40TDI パワーと燃費の両立。街乗りから高速まで万能
45TFSI ガソリン仕様・パフォーマンス志向

最新年式モデルの変更点

2024年モデルからは、内外装の細部がアップデートされました。デイライトのデザイン変更やインフォテインメント機能の刷新が行われています。特に、MIB3世代のナビシステムは操作性・レスポンスともに好評です。

  • フロントグリル・バンパーのデザイン変更
  • 12.3インチバーチャルコクピット標準装備
  • センターコンソールの物理ボタン削減

マイルドハイブリッド技術の採用について

アウディA4 40TDIは、12Vマイルドハイブリッドシステムを搭載しています。これは発進時や加減速時のサポートにより、燃費向上と滑らかな挙動を実現する仕組みです。

ただし、完全なハイブリッド車と異なり、EV走行はできません。燃費向上効果は約0.5〜1.0km/Lといった補助的な役割です。

実際に試乗して感じたアウディA4 40TDIの走行性能

加速性能とトルク感の印象

試乗して最初に感じるのは、圧倒的なトルクの太さです。最大トルクは400Nmで、アクセルを軽く踏んだだけでスムーズに加速します。街中では2,000rpm前後で十分な推進力を得られるため、無理な踏み込みが不要です。

  • 停止からの発進が非常にスムーズ
  • 坂道でもストレスなく加速
  • 追い越し時のレスポンスが良好

静粛性とエンジン音の比較

ディーゼルとは思えない静かさが際立ちます。停車時や低速域ではエンジン音がほとんど気にならず、室内の遮音性も高いため、同乗者も快適に過ごせます。ガソリンモデルと比較しても遜色ありません。

アイドリング時の微振動や高回転時の音はやや感じるものの、日常使いでは十分静かです。

高速走行時の安定性と直進性

100km/h以上でもステアリングはブレず、路面を掴むような安定感があります。アウディらしいシャシーの完成度と足回りのセッティングが活きており、高速クルージングも疲れにくい印象です。

走行状況 体感した特徴
高速道路 直進性が高く、ハンドル修正が少ない
車線変更 ロールが少なく安定した挙動
トンネル内 エンジン音がこもらず快適

アイドリングストップの挙動と滑らかさ

アイドリングストップからの再始動は速く、振動も少ないため違和感がありません。12Vマイルドハイブリッドの恩恵で、エンジン始動のラグを感じにくくなっています。

  • 信号待ちでのエンジン停止が自然
  • 再始動は約0.3〜0.5秒とスムーズ
  • 冷間時は作動しないため注意が必要

街乗りと長距離運転での違い

街乗りでは低回転で静かに走れ、燃費も優秀です。一方、高速やワインディングではディーゼルとは思えない伸びを見せてくれます。日常とレジャーの両立に優れた一台といえるでしょう。

シーン 走行特性
通勤・街中 静かでスムーズ。ストップ&ゴーも快適
高速道路 燃費良好で疲れにくい
山道 しっかりとした足回りで不安なし

アウディA4 40TDIとガソリン車を徹底比較

燃費性能とランニングコスト

40TDIはディーゼル車ならではの燃費効率が魅力です。実燃費は平均で18〜20km/L前後と、ガソリン車の約1.5倍に達することもあります。軽油はガソリンより単価が安いため、年間での燃料代も抑えられます。

項目 40TDI(ディーゼル) ガソリン車
平均燃費 18〜20km/L 11〜13km/L
燃料代(年間) 約10万円 約15万円

乗り心地と振動の違い

走行中の静粛性は、ガソリン車がやや優勢です。特にエンジン音の滑らかさではガソリンが有利ですが、ディーゼルも最新モデルでは改良が進み、違和感は大幅に軽減されています。

  • ガソリン車:エンジン音が静かで振動が少ない
  • 40TDI:低回転域での力強さが際立つが、微振動はやや残る

メンテナンス費用・耐久性の違い

ディーゼル車はオイルやフィルターなどの消耗品の交換頻度がやや高めです。一方で、エンジンの耐久性自体は高く、長距離走行向きとも言われています。

DPF(ディーゼル微粒子フィルター)清掃やAdBlue補充といった専用メンテナンスが必要です。

エンジン音とフィーリングの比較

加速時のフィーリングはガソリン車が軽やかで、回転数の伸びもスムーズです。対して40TDIは中低速域のトルク感と力強さが魅力です。走行スタイルによって好みが分かれます。

  • 40TDI:加速が早く、発進時に力強さを感じる
  • ガソリン車:高回転の伸びが滑らかで快適

購入価格と残価設定の傾向

40TDIはガソリンモデルより車両価格がやや高めに設定されています。ただしリセールバリュー(残価)は高く、3年後の残価率も60%前後と堅調です。リース契約では40TDIが有利なケースもあります。

項目 40TDI ガソリン車
新車価格(参考) 約630万円 約590万円
3年後の残価 約380万円 約340万円

アウディA4 40TDIはどんな人に向いている?用途別おすすめ

通勤メインならディーゼルは有利?

毎日の通勤距離が10km以上ある方には、ディーゼル車の低燃費性能が大きなメリットになります。40TDIの実燃費は市街地でも約17km/L前後と優秀で、月間の燃料費も抑えられます。

  • 朝夕の渋滞でもトルクがあるため疲れにくい
  • アイドリングストップの作動も自然
  • 軽油価格がガソリンより10〜20円/L安い

週末のロングドライブ派に最適な理由

高速道路での燃費は20km/Lを超えることもあり、長距離移動におけるコストパフォーマンスが抜群です。しかもタンク容量は約54Lと大きく、無給油で800km以上の走行も可能です。

用途 40TDIの利点
長距離ドライブ 高燃費・無給油で広範囲をカバー
山道やワインディング 低回転でも登坂がスムーズ

家族用途で選ぶべきか?

アウディA4はセダンでありながら室内空間が広く、チャイルドシートの設置や荷物の積載にも十分対応できます。40TDIは静粛性にも優れ、小さな子どもがいる家庭にも向いています。

  • トランク容量:最大460L
  • 後席は大人2人がゆったり座れる設計
  • ISOFIX対応でチャイルドシート取り付けも簡単

ガソリン車を選ぶべき人の特徴

短距離走行が多い方や静粛性を重視する方にはガソリンモデルが向いています。エンジン始動頻度が高い状況では、ディーゼル特有の振動が気になる場面もあります。

ディーゼル車は短距離ばかりの走行ではDPFに煤が溜まりやすく、燃費や耐久性に影響を与える可能性があります。

法人利用やリース契約との相性

法人ユーザーにとっては、燃料費と残価率の高さがコスト削減に直結します。3年〜5年のリース契約で見た場合、月額コストが安定しやすいのもメリットです。

比較項目 40TDI ガソリン車
リース残価(3年後) 約60% 約55%
年間燃料コスト 約10万円 約15万円

購入前に知っておきたいアウディA4 40TDIの注意点

ディーゼル規制と地域の制限

40TDIはディーゼル車であるため、一部の都市や自治体では走行制限がある可能性があります。特に東京都ではディーゼル車に対する排出ガス規制が厳しく、対象外であれば登録不可となることもあります。

  • 東京都:ディーゼル規制区域あり
  • 横浜・名古屋:一部規制の可能性あり
  • 新車登録時に排出ガス適合証明が必要

軽油価格と給油時の注意点

軽油はガソリンより安価ですが、間違えてガソリンを入れてしまうトラブルも報告されています。セルフスタンド利用時は特に注意が必要です。

ガソリンを誤給油した場合、エンジン損傷のリスクが高く修理費が数十万円になるケースもあります。

冬季の始動性や凍結リスク

軽油は低温で凍結しやすいため、寒冷地では「冬用軽油(2号)」の使用が推奨されます。特に−5℃以下になる地域では始動トラブルが起きることがあります。

外気温 使用推奨燃料
0℃〜−5℃ 2号軽油(冬用)
−5℃以下 特3号軽油(寒冷地仕様)

中古市場での評価とリセールバリュー

40TDIの中古車は高年式であればあるほど評価が高く、3年落ちでの残価率は約60%前後と安定しています。ただし走行距離が多い個体やメンテナンス記録のない車両は価値が下がりやすいため要注意です。

  • リース返却車両は整備履歴が明確
  • 高年式低走行車は市場で人気が高い
  • 査定額は年1回の点検記録が影響

試乗でチェックすべきポイント

購入前の試乗では、加速時のトルク感・アイドリングの振動・ステアリングの重さを重点的に確認しましょう。特に初めてディーゼル車を運転する方にとっては感覚の違いが大きいため、乗り比べが重要です。

  • エンジン音の大きさと音質
  • 低速時のアクセルレスポンス
  • ディーラーのアドバイザーの説明内容

よくある質問(FAQ)

アウディA4 40TDIは燃費が本当に良いの?

実燃費は街乗りで16〜18km/L、高速では20km/L以上を記録するケースもあります。ユーザーからは「給油回数が減ってストレスがない」との声も多く、ガソリンモデルより年間で約5万円の燃料費が安くなるという試算もあります。

条件 実燃費
街乗り 16〜18km/L
高速走行 20〜22km/L

ガソリンモデルとの維持費の差は?

燃料費の差に加え、自動車税(排気量区分)や保険料に大きな違いはありません。ただし、軽油が安価な分、年間では3万〜6万円程度の節約になるケースがあります。一方で、ディーゼル特有のメンテナンス(DPFなど)費用には注意が必要です。

ディーゼル特有のエンジン音は気になる?

最新モデルでは遮音性が高く、アイドリング時や加速時でも室内に音はほとんど響きません。試乗したユーザーの7割以上が「思ったより静かだった」と評価しています。

  • 車外ではわずかにディーゼル音が聞こえる
  • 窓を閉めた状態ではガソリン車と差は感じにくい
  • 高回転時は若干のノイズあり

アウディのTDIエンジンは環境性能が低い?

現行のTDIは「Euro6d-TEMP」基準をクリアしており、NOx(窒素酸化物)の排出量も大幅に削減されています。さらにAdBlue(尿素水)による浄化システムも搭載されています。

ただし、AdBlue補充が定期的に必要であり、忘れると警告灯が点灯するため注意が必要です。

40TDIと35TDIの違いは何?

40TDIは204PS、35TDIは163PSと出力に差があります。加速性能・静粛性・価格も異なり、40TDIのほうがバランス型・ミドルグレードの位置づけです。

項目 35TDI 40TDI
最高出力 163PS 204PS
価格帯 約590万円〜 約630万円〜

マイルドハイブリッドは実感できる?

12Vマイルドハイブリッドは主にアイドリングストップ時や加減速時に作動し、燃費向上と再始動のスムーズさに貢献します。ただしEV走行はできず、走行感の変化も微細なため、実感できるかは個人差があります。

  • 信号停止→発進が滑らか
  • エンジン再始動音がほぼ無音
  • 加速時のサポート感はやや控えめ

まとめ:アウディA4 40TDI試乗記の結論とおすすめポイント

アウディA4 40TDIは、静粛性・燃費・走行性能のバランスが非常に優れた一台です。特にトルクフルな加速とロングドライブ時の快適性は、ガソリン車とは違った魅力があります。

本記事では、以下のようなポイントを解説しました。

  • 40TDIは街乗りでも高速でも安定した燃費を発揮
  • 加速力や乗り心地も高評価で、ユーザー満足度が高い
  • ガソリン車との比較においても総合的に優位な点が多い
  • 購入前にはディーゼル特有の注意点も確認が必要
  • 用途別に向き・不向きがあるため、ライフスタイルに合わせた選択が大切

「燃費の良い高級セダンが欲しい」「長距離移動が多い」「維持費を抑えたい」といった方には、アウディA4 40TDIは非常におすすめできる選択肢です。

ただし、短距離移動中心の方や静粛性重視の方にはガソリンモデルも検討すべきです。

ぜひ一度、試乗を通じてその魅力を体感してみてください。